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すきなことをすきなだけ

ジュリエット通り

Bunkamuraシアターコクーンで公演中の「ジュリエット通り」をみてきました。

観劇する前にレポを読んでも、「難しかった」という内容の感想ばかりで全くどんな舞台なのかつかめなかった。そして実際舞台を観劇した感想は、「むずかしかった…」

安田章大くん演じる太一が主人公なのか?大政絢ちゃん演じるスイレンが主人公なのか?出てくる登場人物、全員が主人公と言われても納得してしまうような舞台だった。シーンが切り替わるたびに様々な登場人物に感情移入をしてしまい、見終わった後に疲労感がすごくあった。 

舞台で演じる安田くんはすごく好き。2009年の「カゴツルベ」では、一途すぎる故に狂ってしまう役を演じて、2011年の「トラストいかねぇ」では、コミカルな舞台を安田くんらしく演じていた。今回の「ジュリエット通り」では、カゴツルベのときのような狂気さもトラストのときのような面白さも、太一の中に見ることができた。

個人的には、キキ役の趣里さんがすごく印象に残っている。セーラー服でたばこを吸う仕草。銃を手にしても動揺しないこころ。冒頭でバイオリンを弾く姿からは想像できないようなこころの闇や強さを持っているような気がした。

 

と、ここまで書いて手が止まったので、パンフレットを読んでみました。

インタビューの中に、過去安田くんが演出である岩松さんの舞台を見に行ったときのことが書いてあった。そのときに安田くんが感じたことは、「着地点がどこなのかわからない」「岩松さんが伝えたい感情はなんだろう?」ということ。まさしく今回の舞台をみてわたしが感じたことはこれだった。そして安田くんは「難しく考えず答えを探さず、目の前の状況に振り回されることを楽しんでください。」と続けている。だから考えるのはやめました。

枯淡館と田崎家、そしてジュリエット通り。けして広くない世界で生きる登場人物たちそれぞれに照準をあて、感情移入し振り回される、そんな不思議な舞台でした。

この役を演じて、この舞台を通して、もっともっと違う安田くんがみれることを期待しています。無事千秋楽を迎えることができますように!